むすびのおじさんたちを何人か見送ったものの
まだ50代の知人の突然の訃報に
面食らう。
一昨年にもTさんと同い歳の51歳だった
Nさんが亡くなった。
どちらも年々精気を失っていっていた。
仕事がきついと漏らしていた。
肉体労働ではなく どちらも知的労働者だった。
今と違う生き方を望みながら
与えられた仕事から
逃げてはいけない と優しい笑顔だった。
死が不幸だと思わないとすれば
彼らはまさに人生50年を生ききり
働き盛りで 磨り減り 消えて
後の心配もなく 老いることもなく
よかったのだろうか。
Tさんの亡くなった日
私は1年会っていない彼のことをふと思い出していた。
いつから こんなに気忙しくなって
電話したり 気遣ったり
丁寧に付き合うことをしなくなったのだろう。
とにかく もう会えないTさん
悲しいならば 生きている者は
生き方を考えなくてはいけない。
今日もカードを引く機会があって
素直な幸福を望みながら
人の期待を重荷に生きている自分
突き進む情熱をもって
だけど 流れに身を委ねること。
いつか解放されるその日まで
Tさんも 時々は一緒にいてくれるだろう。