川岸に菜の花が夢のように咲いて
見ていると ここは天国かしらと思う。
オーストラリアから来たタミーと
釜ヶ崎を歩く。
土色の公園 犬 男社会 倒れた人
そんでもって病気で部屋にこもっている
むすびのおじさんの部屋を訪ねる。
「もう だめやろ」
でも 目がまだ諦めてはいない。
天王寺。
裏路地に昭和のにおいがして
タミーも「SHOWA」とつぶやく。
昔の香りはなんだか甘くてやさしく思えるし
今は今で 無味無臭がいいのかどうなのか。
人生に疲れたような高校生たちとすれ違って
夏やさいの苗を買った。
帰り道にはいつもの白い犬を連れたおっちゃんが
無口に歩いていた。
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