仕事のことで せわしなく 考えたり うろうろしたり していたが
夕方から 東大寺のお水取りに出かけることにした。
今行かなければ いつ行くのだ。
そんな 気がして。
お水取りが終われば 春がくる と聞いたことがある。
大きな松明(たいまつ)が 夜空を染めるとも聞いたことがある。
何時から始まるのか どのように行われるのか
何も知らない。
とりあえず奈良に行き うどん屋さんで聞いて
二月堂に向かう。 5時前。 人はどんどん増えている。
松明の点火は午後7時30分から
とアナウンスが入る。 モウレツに寒いし 人がギュウギュウと集まり
身動きも取れない状態で。
2時間半 たちっぱなしで 寒さに震えていた。
きっと この序章がないと松明が効力を発しないのではないかと
思いながら。
寒さと疲れでもうろうとしてくる。 同時に高ぶってくる。
神事だなぁ と意識のどこかで感じる。
闇に登場した大松明は 油絵のようにギラギラとして
やはり火を見ると 人々は興奮する。
一般参詣者は 人を入れ替えるために途中から移動を余儀なくされたが
この1256回 一度も断絶せずに続いてきたという行事に加わって
体がカチコチになって ありがたさも身にしみたというものだ。