むすびのおじさんのひとりが入院したので 様子を見に行った。
身寄りのない意識のもうろうとしたおじさんが
裸で 土色の顔をして オムツをつけて
ベッドに横たわっている。
思わず 息を呑む。
声をかけると もうろうとしながら応えてくれる。
それからは おじさん回らない舌で 何かしゃべっている。
笑ったり 見た夢について語っている。
夢の中でも お金がなくて 追いかけまわされた とか
それでも夢の中 一生懸命絵の具で 絵をかいていたらしい。
いつもの会話 いつものおじさん 体の状態がちがうだけ。
こうしたおじさんたちと関わることは いつも考えさせられる。
ぼんたまには何がしてあげられるのか。
どこまでして どこまでしないのか。
最低限 この世につながる 場所になりたい。
だから 心にスペースは広い方がいいと 思う。