むすびの旅で東北に行っていた。 福島、宮城、山形と駆け足だったけど 何かを感じる旅。 ことばには、まだならない。 福島の飯舘村。村をあげて先進的かつ村人主体の 村が充実してきた矢先の震災、原発事故。 牛たちが殺処分された牧場は朽ちはじめ 向こうには 幾重にも並んだ放射能の黒い袋。 悔しかろう 悲しかろう。 ぶつけようのない怒りがこみあげる。 その飯舘の皆さんが住む仮設住宅で紙芝居。 おばあちゃんたちが見てくれた。 東北の厳しい気候で生きてきたおばあちゃんたちは きりっとして、あたたかい。 「春がきた」の合唱。たしかに春が来ている。 だけど、いつもの風景をいつものように見られない。 目頭が熱くなった。 翌日、宮城で劇をして むすびのメンバーの故郷を訪ねて山形へ。 30年ぶりの故郷は町の面影を失ってはいたが 石に刻まれた忠魂碑、古い神社 こういったものが記憶を甦らせたらしい。 むすびのおじさんたちに付き合うことで 人生を追体験する。 いつか 自分も故郷を懐かしむ日が来るのだろうな。 最上川にも春が来ていた。
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