不安に押しつぶされそうになる瞬間 目を閉じないで見続けること。 すると崖だと思った場所が大地になる。 いつでもそうだったように 宇宙には何か法則がある。 年末のこの時期になって、出会いがあり 今年頭にこびりついて離れなかった錆が あっけなく取れて 初めて訪れた街で、初対面の人と 何かの続きのように会話をして また先に進める道ができたように思う。 自転車を押して橋を渡ると、新しい風景。 今日は初めて裁判も傍聴したし。 本所さんの病院に寄る。 忙しさにかまけて10日近く行けていなかった。 昨日まで話をしていたという。 今日は意識がないほど、呼吸困難に陥っていた。 電子音で脈拍が打たれ、ひっきりなしに警告音が ピーピー鳴る。鳴ったところで誰も来ないのに。 人生の最後がこんなに雑音と無関心に満ちているとは ぐったりきて、本所さんの横で少し眠った。 もう、彼は自分との闘いに入っていて できることはなにもない。
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