結局 3日間朝から晩まで西成に通った。
夏祭りにはあまり参加できなかったけれど。
慰霊祭。佐野さんの名前が呼ばれるのをじっと待った。
僧侶や牧師を囲むカメラやスマホの群れに
萎えそうになりながら
一塊の風や 薄く暮れていく空に
救いを求めた。
そこには霊がいなかったように思えた。
だけど 風にちょっとだけ祈りを乗せた。
自分が遊ばしてもらいながら
お金を落とすこともなく 瞬間をカメラで盗み取り
持ち帰る恥を 考えざるをえない。
自分の一部ではなく 他人の一部を切り取る傲慢を。
気持ちなんて 当てにならないいい加減なもんだよ
人の言葉に ハッとして
「気持ち」で世の中がうまくいくと信じていた
青い自分と 青い「やさしい」社会を うたがってみることにする。