街路樹の紅葉がはじまった。
陽に透けて 命が枯れる前の美しさ。
庭で大きなバッタが力尽きていた。
夏と秋を謳歌したのだろう 悔いはなかったか。
1カ月で指のケガはほぼ完治したが
関節や肩は少し動きが不自由で
時間がかかる ということを覚悟する。
時間をかけている間に
一生引きずるような痛みを残さないように
リハビリが必要なのは
心も同じ。
ちょっとの痛みをこらえて 別の動かし方を探る。
痛い痛いと嘆くばかりなのではなく
その曲がり具合や ひきつれ具合をていねいに観察して
動かしてみる。
むすびのおじいちゃんが
「自分は日本一の親不孝をしたけど もう御破算にしてもらおうと思う。
そのかわり世の中のお父さんとお母さんたちに孝行する」
と決意を語った。
すると居合わせたおっちゃんが
「わしも親不孝をした。御破算にしたら うちの母ちゃんもやっと成仏できる」
それを聞いていたら 心がすっとして
手を合わせたいようなありがたい気持ちになり
時の移ろいは 悲しいけれどうつくしいなと
やっぱり思う。