電動車椅子の後を追って 歩くこと2時間
日の暮れた天王寺公園には 猫が徘徊
行く当てのない人のシルエットが佇んで
有料ゾーンで行われているビールのイベントを
横目で見ながら… 食べ物のいいにおいがする。
車椅子の後ろを歩いていると 切ない。
避けない人たち。ぼーっと見てる場合じゃないんだよ。
自転車を 広がった家族の輪を
ありとあらゆる障害物を よけてほしいのに。
鈍感になったわたしたち。
密かに「月の小路」と呼んでいる細い路地を
通るとき
車椅子の彼女がいつもしばし止まる。
月を見ているのか 息をついているのか 車椅子の調子が悪いのか
わからないし 聞いたこともないけれど
なんだか一緒に月の美しさに魅せられているような気がして
繊細な喜びをかんじる。
むすびで葬儀を行うときにお手伝いくださる葬儀屋のおじさんが
むすびの事務所 花の飾られた遺影を見て
「きちんとしてくださって ありがとうございます」と
にっこりされた姿が とても素敵で
仕事への誇りがある人 関わった人への愛情がある人
プロなんだ と思った。